『中銀カプセルタワービル』~思い出は心の中に

『中銀カプセルタワービル』~思い出は心の中に

つい先日、3月末のこと。

東京中央区の『中銀カプセルタワービル』の
解体工事が正式に決まって
今月12日からいよいよ工事が始まる
という記事を読みました。

ここは一人旅・東京編で
どうしても見てみたくて
迷いながら行った思い出の場所。


とても寂しいです。

中銀カプセルタワービルとは?

中銀カプセルタワービル
中銀 = なかぎん と読みます。
最初は”ちゅうぎん”かと思っていました。

建築家・黒川紀章といえば
”中銀カプセルタワービル” というほど
代表作として知られていますね。

この中銀カプセルタワービルは
なんと私と同い年。
1972年完成の分譲マンション。

50年前・・・半世紀前の
1972年当時はどのように
人々の目に映ったのでしょう。
大胆で斬新なデザイン。
140個のドラム式洗濯機のような形の
住居用カプセルが並んだり
でこぼこしながらくっついています。
このカプセルはなんとひとつずつ
取り外して交換できる設計なのです。

子供の頃に夢中でレゴブロックを
組み合わせてはめたり並べたり
外したりして遊んだ
そんな感覚がよみがえります。

この独特なデザイン性が高く評価され
映画やドラマ、雑誌の撮影などにも
広く使われたということです。

解体そして一部は美術館へ

この交換できるカプセル(部屋)は
実際には一度も交換されたことは
ありませんでした。

所有者の間で保存か解体かの議論が
重ねられましたが
老朽化と安全性の問題から
解体が決定した、ということです。

なお今年の3月10日までに
入居者の退去が完了したそうです。

一部は美術館へ、また宿泊施設として
再利用される予定もあるということで
ホッとしました。
国内外どこになるのでしょうね。
訪れてみたいなぁ。

実際に行ってみた話

この建物に興味があったので
一度自分の目で見てみたいと思い
ひとり旅のミッションとして
探しに行ったことがありました。

宿泊が銀座あたりだったので
グーグルマップを頼りに行けば
徒歩で行けるはず!
とわりと簡単に考えていました。

実際に道はそんなに複雑ではなく
目的地の中銀カプセルタワービル付近に
ちゃんと到着しました。

しかし・・・

どう見てもこの特徴的なビルが無い。

でもグーグルマップの指し示す場所は
いま確かに居るあたり。

え?
どうして??

グーグルマップ片手にグルグル。
また同じ場所に戻ってしまった。

かなりキョロキョロしたのだけど
やっぱり見当たらない。

どうなってるの・・・???(◎_◎;)

見上げてごらん江戸の空を

同じ建物の周りを2周ほどして
不審者感を漂わせ始めたその時。

ふと空を見上げると・・・

なんとグルグル2周回った
そのビルの上の方に
見覚えのあるカプセルが!!

ぽこぽこといくつも
くっついているじゃないのよ!!!( ;∀;)

ちょっとした焦りから感じていた脇汗が
一気に冷えた感じがしました。

東京あるある

私が勝手に『東京あるある』だと
思っていることなのですが。
東京は道幅が狭くて
高い建物が密になっている気がします。
なので近すぎて逆に見えないというか
認識しづらいのです。

いや~しかし、
こんなにも気づくのに時間がかかるとは。
自分で自分に驚きました。

じっくり見たい!けれど・・・

この中銀カプセルタワービルのまわりは
意外に通行人が多い・・・のです。
皆さん目もくれずに通り過ぎるから
いつも見ておられるのですね、きっと。
今さら珍しくはない、か。

入口を見てみます。
中がよく分からない少々うす暗い1階部分は
入ってはいけないような雰囲気。
そのような張り紙もありました。

そしてガラス越しにカウンターらしきものが
見えたような・・・
そしてそこには男性が座ってこちらを
見ていたような・・・

また脇汗がじんわりしてきたので
外からひたすら外観を
見上げることにしました。

これがカプセルかぁ。
本当にレゴブロックの組み合わせを
大きくして実現させたみたい!
場所によっては下が何もなくて
宙ぶらりんっぽい。
これが約50年前に造られたんだ・・・

思い出は心の中に

間もなくあと10日で解体が始まる
中銀カプセルタワービル。

自分の足で近くまで行き
自分の目で見ることができて
本当に良かったです。

自分生まれ年と同じ1972年から
ずっとこの地にあって
昭和~平成~令和と
時を刻んできたのかと思うと
無くなることは寂しいです。

けれども自分で見に行った!という
この思い出はずっと心の中に
残っていくでしょう。

次はどこで再会できるかな。。。

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